不妊症
⚫︎不妊症とは?
不妊症とは、「妊娠を望むカップルが性行為を行っているにもかかわらず、一定期間を過ぎても妊娠できない状態」と定義されます。
健康なカップルが排卵のタイミングを見計らって性行為を行った場合は、1回の性行為あたりの自然妊娠する確率は20代でも約20〜30%といわれ、通常通り1年以内に90%の方が妊娠できます。
⚫︎原因
不妊の原因は大きく分けて「女性不妊」と「男性不妊」「原因不明」3つに分かれます。
約41%が女性のみ、約24%が男性のみ、女性男性ともに不妊原因を有しているのが約24%、原因不明が11%となっています。
女性の原因ばかり注目されますが、半分近くは男性にも原因があります。
*女性不妊の原因
・排卵の問題
脳下垂体ホルモンの分泌異常や多嚢胞性卵巣症候群、早発卵巣不全などによる排卵障害
・卵管の問題
クラミジアなどの性感染症による炎症や子宮内膜症による癒着
・子宮内膜症
卵管と卵管の周囲で癒着がおこってしまうと不妊の原因になります。
・子宮頸管の異常
子宮と膣をつなぐ筒状の子宮頸管部分に異常がある場合があります。
頸管粘液と呼ばれるものが性行為において精子を蓄える役割を果たしますが、酸性度が高い、量が少ないといった理由で妊娠しにくくなる場合があります。
・着床障害
子宮筋腫ができている、子宮腔に問題がある、ホルモンの異常で子宮内膜が充実しない場合などに着床しにくくなります。
・抗精子抗体
頸管粘液や卵管内に精子の運動を妨げる精子不動化抗体という抗体が分泌されていて、精子を動けなくさせてしまいます。
*男性不妊の原因
・射精の問題
いわゆる性交障害といわれ、精神的なストレスによって勃起が不十分になるED(勃起障害)になる場合があります。また、性行為はできても膣内射精ができないといった原因もあります。
・精子の問題
精子をつくる精巣(睾丸)に問題があると、濃度が低くなったり、運動率が低くなり妊娠しにくくなります。また、無精子症といった精液に精子が全くみられない症状もあります。
⚫︎治療
鍼灸治療でホルモンバランスの調整、卵巣や子宮の状態を改善させます。
定期的に治療を続け、自然妊娠・出産を叶えられた方もいらっしゃいます。
⚫︎セルフケア
・妊娠しやすい身体づくり
規則正しい生活とバランスの良い食事と運動を心がけることが基本となります。 男女ともに身体が健康になると生殖器官の活動も活発になり、質の良い卵子や精子が作られやすくなり妊娠しやすくなります。 卵子の質を良くするには、卵子の質を悪させる活性酸素を取り除くことが大切です。 β-カロテン、ビタミンC、ビタミン Eは抗酸化ビタミンと言われ、活性酸素を除去する働きがあります。緑黄色野菜には抗酸化ビタミンが豊富に含まれます。ポリフェノールにも抗酸化作用 があり、アンチエイジングにも効果的です。
β-カロテン 人参、ホウレン草、春菊 ビタミンC 赤・黄ピーマン、ブロッコリー ビタミン E カボチャ、ニラ、ホウレン草 ポリフェノール 大豆、ゴマ、カボチャ 冷えは妊娠しやすい体作りの大敵です。 特にお腹、腰、お尻は冷やさないようにしてください。冷えは女性のホルモンバランスの崩れる原因にもなります。冷えを取り除くにはお風呂が一番です。40℃以上のお風呂に10分間つかることで血液循環が活発になり、体温が1~2℃上昇します。さらにリラックス効果もあり、自律神経を整えてくれます。
⚫︎おすすめのツボ
・三陰交 (さんいんこう)・・・内くるぶしから、指4本分上がったところ。骨のきわ。 血流改善、ストレス緩和

・曲骨 (きょこつ)・・・恥骨の真上あたりで。体の中心線上にあります。 骨盤内の血流改善、子宮

・横骨 (おうこつ)・・・恥骨の真上から指半分ずつ左右外側にあります。曲骨の左右隣。 骨盤内の血流改善、卵巣

・太衝 (たいしょう)・・・足の親指と人差し指の間をたどった行き止まりのくぼみ。 ストレス緩和、イライラ解消
