多汗症
⚫︎多汗症とは?
多汗症とは、暑いわけでもなく、運動をしたわけでもないのに多量の汗をかく病気です。
⚫︎原因

・肥満
肥満状態になると、あらゆる動作にエネルギーを使います。
体温が上がりやすく温熱性発汗が起こりやすくなり、大量の汗をかいてしまいます。
・不安
不安や緊張、ストレスといった精神的な問題から大量の汗をかいてしまうことが、多汗症では特に多い原因です。
心の中で不安なできごとを想像したり、緊張感のある場面に直面したりすると、心拍数が上がり血圧が上昇します。
すると体感温度が上がるので、脳がそれを下げようとして汗をかかせます。
もともと不安になりやすかったり、あがり症だったりすると、多汗症につながってしまうことがあります。
交感神経が優位になると、汗が増えます。
・ストレス
ストレスも大量の精神性発汗の原因になります。
日常なささいなストレスがたまっていくことで、交感神経が過敏に働くようになります。
・食生活
カフェインのとり過ぎや、揚げ物や塩分の多い食事といった偏った食生活を続けていると、交感神経に異常が生じてしまいます。
・喫煙
たばこに含まれるニコチンには、交感神経を活発にする作用があります。
交感神経が活発に働くと、エクリン腺やアポクリン腺といった汗腺が刺激され、汗をかきやすくなります。
・ホルモンバランス
特に女性に多いのが、ホルモンバランスの乱れによる多汗症です。
ホルモンバランスが乱れると、自律神経に悪影響があらわれます。
自律神経とは、自分の意思とは関係なく働いている神経のことで、発汗を司る交感神経も自律神経のひとつです。
そして交感神経と、もうひとつの自律神経である副交感神経とがバランスよく働くことで、代謝や発汗などの身体の働きを調整しています。
ホルモンバランスが乱れると、自律神経のバランスにも異常が生じ、交感神経が優位な状態になってしまいます。
結果、大量の汗が出ることになります。
・更年期障害
ホルモンバランスの乱れが原因の多汗症の中でもとくに多いのが、更年期障害によるものです。
更年期障害は、加齢にともなって乱れるホルモンバランスが原因で起こります。
そして、そんな更年期障害の症状のひとつが多汗症です。
更年期障害の多汗症でホットフラッシュと呼びます。
ホットフラッシュは、閉経女性の40~80%に認められる症状で、暑くもないのにダラダラと汗をかいてしまうことがあります。
とくに顔のほてりがひどく、のぼせる様な症状が特徴です。
・バセドウ病
甲状腺ホルモンが大量に分泌されることで、全身の代謝が異常に高まってしまう病気です。
バセドウ病のひとつの症状として、大量の発汗があります。
多汗症だけでなく、異常な食欲を感じ、食事の量が増えたのに体重が減った、ふつうの気温なのに暑くてしかたがないといった症状が出たら、バセドウ病を発症しているかもしれません。
バセドウ病の特徴的な症状は、わけもなくイライラして怒りっぽくなったり、排便の回数が増加、動悸、手足の震えを感じることもあります。
首が腫れていたり、目が飛び出ているようならバセドウ病の疑いがあります。
・自律神経失調症
症状のひとつに多汗症があります。
他の症状は、慢性的な疲労・だるさ・めまい・偏頭痛・動悸・不眠・便秘などがあります。
局所的に汗をかくのが特長です。
・糖尿病
大量の発汗のほかに、異常に喉が乾く、体重が減る、尿の量が増える、といった症状が出ている場合、糖尿病の可能性があります。
⚫︎治療法
まずは、多汗症の原因を見つけることが重要です。
不安、ストレス、更年期障害などの自律神経、ホルモンバランスの乱れには鍼灸治療がおすすめです。