たるみ
見た目年齢を上げやすいものとして「顔のたるみ」があります。個人差はあるものの、10歳は老けて見えてしまいます。
●原因
1.肌弾力の低下
真皮層には、コラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンなどの成分があります。これらの成分が真皮層に適切な構造で十分に存在することで保たれていますが、肌の弾力(ハリ)は以下のようなことで失われてしまいます。
・紫外線
紫外線、特にUVAは真皮層にまで届き、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などを作り出す「繊維芽細胞」という細胞にダメージを与えます。線維芽細胞がダメージを受けると、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの生成量が減ってしまうだけではなく、これらを分解する酵素が過剰に分泌され、肌の弾力が失われます。
・生活習慣
繊維芽細胞がコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を生成するには、たんぱく質やビタミンCをはじめ、様々な栄養素が必要です。食生活のバランスが悪いと、線維芽細胞に十分な栄養がいきわたらず、肌のハリが失われます。睡眠は肌にとって重要です。睡眠不足も肌のたるみの原因となります。
・乾燥
角質層の水分保持力が低下した状態、つまり肌が乾燥した状態になると、真皮層の水分を十分に保つことができなくなり、真皮層の負担となります。
・加齢
赤ちゃんの肌にハリがあり、瑞々しいのは、真皮層にコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸が多いからです。40代になると、ヒアルロン酸は、赤ちゃんの真皮のヒアルロン酸量の約半分程度になってしまいます。
2.表情筋、深層筋の衰え
顔には「表情筋」と「深層筋」と呼ばれる2種類の筋肉があります。表情筋は、皮膚のすぐ下にあります。一方、深層筋は骨に付いている筋肉で、表情筋の下で表情筋を支えています。
また、深層筋はポンプのように血液を顔全体に送り届ける役割をしています。表情筋が衰えると、その上にある脂肪や皮膚を支えられなくなってしまいます。深層筋が衰えると、表情筋が支えられなくなったり、肌に栄養がいきわたらなくなります。
そのため、表情筋と深層筋の衰えはたるみの原因となるのです。
3.猫背・不良姿勢
顔の筋肉は頭や首と繋がっています。猫背で顔を突き出すような悪い姿勢は、首の後ろ側が縮み、首の前部分が伸びるため、頬が下方向に引っ張られてしまいます。近年は、20代でたるみやほうれい線に悩む人が増えていると言いますが、その原因の1つが長時間のデスクワーク。上述の通り、悪い姿勢を長時間続けると、顔の筋肉が引っ張られ、たるみの原因となります。
●対策
・紫外線対策
・バランスの良い食事
・良質な睡眠
・保湿
・表情筋、深層筋のトレーニング
・正しい姿勢
・フェイスマッサージや頭皮マッサージ
●治療法
美容鍼でお顔の筋肉に直接アプローチし、たるんでしまった部分を引き上げます。
また正しい姿勢を取り戻すために、お体の施術と組み合わせて受けるのもオススメです。
●セルフケア
○ほうれい線の解消
(1)両手で口輪筋全体を覆うようにして、ほうれい線の上に手を置きます。
(2)口輪筋を覆っている指の腹を使って、そのままグルグルと円を描くように時計回りに10回、反時計回りに10回まわします
○頬のたるみ解消
(1)唇を前に突き出すようにして、口を「オ」の形にします。
(2)「オ」の形のまま口を下に引き下げ、逆に頬は上に引き上げます。これを10回くり返しましょう。 ○目の下のたるみ解消
(1)目を軽く閉じます。 (2)ゆっくりと目をギューッと閉じていき、そのまま5秒間キープしたら、ゆっくりと力を抜きます。 (3)次に、眉毛を持ち上げるようにして目をパッと開き、5秒間キープしたら、ゆっくりと自然な状態に戻します。
たるみに限らず、美肌を保つうえで重要な食事や睡眠、紫外線対策をしっかり行うと同時に、たるみ対策のマッサージなどのケアを追加していくことで、たるみを予防・改善することができます。
●おすすめのツボ
・四白 (しはく)・・・黒目の下の骨のフチの指1本分くらい下のところ。 たるみ、クマ、目の疲れ ・巨膠 (こりょう)・・・小鼻の横から少し離れたところ。 たるみ、小じわ、肌荒れ ・迎香 (げいこう)・・・小鼻の横のくぼみのところ。 たるみ、鼻水、鼻づまり
