顎関節症
●顎関節症とは?
顎関節周辺に何らかの異常があり、顎が痛い、顎が鳴る、口が開けづらい、顎が曲がっているなどが主な症状です。
顎関節症はここ十数年で15倍にも増加し、10代半ばから増え始め20~30代がピーク、女性は男性の2~3倍の割合で発症します。
●原因
・ブラキシズム
くいしばり、歯ぎしりなどのことをブラキシズムといい、筋肉を緊張させて顎関節に過度の負担をかけダメージを与えます。最も大きな原因と言われてます。
・ストレス
仕事や家庭、人間関係などのストレス、その他精神的な緊張は、筋肉を緊張させてくいしばりを起したり夜間の歯ぎしりを起したりと、ブラキシズムに影響します。
・噛み癖
左右どちらか一方でばかり噛む癖は、片側だけに多くの負担をかけることになり、発症の原因になります。
・生活習慣
ハンバーグ、スパゲティ、パンなどの柔らかい物の摂取による筋肉の衰え、うつ伏せ寝、頬杖をつく癖、あごの下に電話をはさむなどの習慣が原因になることもあります。
●顎関節症のタイプ
・筋肉の障害によって起こるタイプ
筋肉が何らかの原因で緊張して硬くなり血液の循環が悪くなるために痛みが発症します。 顎の筋肉を押すと痛み、コリコリしたしこりができることがあります。 ・関節包、靭帯の障害によって起こるタイプ
顎関節の関節包みや靱帯などの線維組織に力が加わり炎症を起こします。ズキズキ痛み、顎を動かすと痛みが強くなります。
・関節円板の障害によって起こるタイプ 口の開閉時にカクンと音が出ます。 症状が進行すると、口を開けようとすると関節円板が邪魔して下顎頭が下顎窩の前に出られなくなり、口が大きく開けられなくなります。 ・変形性関節症によって起こるタイプ
口を開閉すると「ゴリゴリ」「ジャリジャリ」といった音がして、滑膜炎など周囲の炎症を伴うと顎関節が痛みます。 顎関節症のタイプはこのように分けられていますが、複数のタイプが重複していることが多いです。
●治療法
原因を解消する治療と痛みなどの症状を緩和する治療を、症状に応じて組み合わせて行います。 ブラキシズムや癖など顎関節症の原因となる悪習慣やその背景を見つけ、自覚してもらうことが第一です。
筋肉や骨格の歪みには美容鍼灸が効果的です。
鍼で硬くなってしまった筋肉を柔らかくし顎関節への負荷を取り除きます。
手技でずれてしまった筋バランスを整え、正しい位置に戻していきます。
炎症が起こっている場合は手足を使い、鍼灸治療が効果的です。
鍼灸治療は、炎症を抑え、痛みを緩和する効果が高いです。
●セルフケア
・歯を接触させない くいしばりをしないようにします。上下の歯が接触するのは物を噛むときだけで、通常時は歯を接触させないようにして余計な負担をかけないようにしましょう。
・硬いものは食べない 痛みや口が開けづらい症状がある場合は、しばらくは硬いものを食べないようにしてください。
・口を大きく開けない 無理に口を大きく開けない。食べ物を小さく切ったり、会話中、あくびや歯科治療などにも注意が必要です。はずれる場合があります。 ・冷湿布 痛みの急性期には冷湿布が有効です。 ・よい姿勢を保つ 猫背やあごを突き出す姿勢になっていないか注意してください。同じ姿勢を長時間続けないようにし、体を動かしましょう。 ・うつ伏せ寝をしない うつ伏せは顎や首の筋肉に負担がかかるので、できるだけ仰向けで寝るようにしましょう。 ・あごの運動をする 関節や筋肉の痛みが緩和されたら、少しずつ顎の運動を行います。口の開閉や顎を横に動かしたり、首や肩のストレッチをしましょう。
●おすすめのツボ
・下関 (げかん)・・・耳の穴の高さにあり、モミアゲがくるところ。口を開けた時に動く場所。 口が開けにくい、顎の痛み ・天容 (てんよう)・・・エラの角のすぐ後ろ、乳鎖乳突筋の前でくぼんでいるところ。 顎の痛み、頭痛、首痛、のぼせ ・ 翳風 (えいふう)・・・耳たぶの裏側の陥凹部にある。 顎の痛み、歯痛、むくみ
