外反母趾
⚫︎外反母趾(がいはんぼし)とは?
外反母趾とは、足の親指が、指のつけ根の関節の部分で、外側へ曲がった(外反した)状態をいいます。
単に親指が外反する、というだけではなく、親指のつけ根のもとにある骨は反対側に曲がり(内反)、親指に連なる骨全体は、ひらがなの「く」の字のようになっているのが特徴です。
「外反母趾はヒールのある先細の靴が原因で起こる」とよく言われますが、最近では子供や男性にも見られ、多くは足の横アーチを形成している中足関節の靭帯が緩んでしまうことが原因です。
先細靴が足の指を圧迫することよりも靴がぬげないようにと足指を上げるように縮めてしまう、足裏の刺激により足底筋が発達不足で身体のバランスを靴に頼ってしまう、このことが靴と外反母趾に大きく関係しています。靴は二次的な原因と考えられます。
⚫︎外反母趾の要因
・歩き方
歩き方の特徴に、足指を使わないで歩く「ぺたぺた歩き」が見られます。
足指を使わないので、足指まわりの筋肉は退化し、外反母趾が進行します。
ハイヒールやつま先が細い靴は履かないのに外反母趾になる人がいるのは、このためです。
・合わない靴
人間の足の裏は本来、横に並んだ5本の足の指の骨が横のアーチを、土踏まずの部分が縦のアーチを形成していて、立つ時や歩く時は、親指と小指の付け根とかかとで体重を支えています。
つま先が細くてヒールの高いパンプスなどの靴、つま先の幅が広く土踏まずがない真っ平らのサンダルなどの靴では、足指に力が入りません。
すると筋肉がさらに退化し、足の正しいアーチ形がくずれ、外反母趾などの変形が進みます。
靴を変えたとしても、足指を使わずペタペタ歩いていていれば、外反母趾の症状は進行します。
合わない靴は、外反母趾の根本的な要因というわけではありませんが、症状を進行させる要因と言えます。
・運動不足
運動が不足することで足指周りの筋肉が退化し、外反母趾を進行させます。
⚫︎症状
外反母趾を放っておくと、足が痛んだり、おしゃれな靴が履けなくなったりするだけでなく、全身に悪影響が出ます。
悪化すると、歩くこともままならなくなり、ひどい痛みを伴います。
素足でいても、ちょっとした日常動作が痛みを生み出すことにもなるのです。
重症になると、親指の付け根の関節が脱臼して、親指と隣の指が重なってしまいます。
歩行困難や腰痛、内臓疾患も引き起こします。
また、足が痛くて歩けないので運動不足になると、それが原因で足腰や背中の骨や筋肉が弱くなり、糖尿病、肥満、高脂血症、脂肪肝、心臓病、骨粗しょう症、腰痛や膝痛などの原因にもなってしまいます。
⚫︎治療法
原因が歩き方にあるところから、外反母趾の予防と改善にはまず、歩行の改善が必須です。
そもそも歩行が崩れていしまっているのは足関節、骨盤の歪みにより重心バランスが崩れ筋肉の緊張に偏りが出来るからです。
当院では歩行が正常に行われない原因を見つけ、鍼灸・手技治療、骨盤矯正をして、バランスを整え、歩きやすい体を作っていきます。
歩きやすくなることで外反母趾に掛かる負担が軽減され痛みの緩和、進行予防になります。
・正しい歩き方
かかとを地面に着けて足の指まで体重移動させ、指で地面を蹴ります。
ヒールの高い靴などの靴では正しい歩行ができないため、自分の足に合う靴を履きましょう。
⚫︎セルフケア
靴のサイズは大きすぎても小さすぎても足裏への負担がかかります。
基本的には、次のような条件に当てはまる靴を選ぶとよいでしょう。
・ヒールの高さが5cm以内 ・足の甲まわりがフィットしていること ・つま先に押して1cmほどゆとりがあること ・つま先や底が硬くないこと
・トレーニング 床に置いたタオルを足指で手繰り寄せる「タオルのたぐり寄せ」があります。 このような手軽な方法で十分効果があるので習慣づけましょう。
⚫︎おすすめのツボ
・大都 (だいと)・・・足の親指の付け根のあたりの、第1中指指節関節の前のくぼみのところ 外反母趾、足の疲れ、こむら返り ・太白 (たいはく)・・・足の第1中足指節関節の後、内側のくぼみ。大都の後ろにあるツボ。 外反母趾、足の疲れ、胃腸の調整

・三陰交 (さんいんこう)・・・内くるぶしから指4本分上のくぼみ。 外反母趾、足の疲れ、血流改善
