自律神経失調症
⚫︎自律神経失調症とは?
自律神経とは、心臓を動かしたり、汗をかいたり、自分ではコントロールできない自動的に働く神経のことです。
活動する神経「交感神経」と休む神経「副交感神経」の二つに分類され、必要に応じて自動的に切り替わって働くようになっています。
・精神の調整
悲しい時に涙が出る、緊張するとドキドキするなど、精神的な変化から身体の反応としてあらわす働き
・神経の調整
気温が上がっても体温は一定に保たれるなど、外部からの刺激を受けても身体を一定の状態にする働き(ホメオスタシス)
・内分泌の調整
ホルモン分泌と密接に関係。女性に自律神経失調症が多く見られるのは排卵、月経、妊娠、更年期などの性周期がホルモンと深く関係しているため
・免疫の調整
体内に細菌やウイルスが侵入すると抵抗力をつけ、発熱した場合に熱を下げようとするなど、病気の予防や治癒のための働き
交感神経は危険な状況に置かれたりすると、副腎髄質よりアドレナリンなどの神経伝達物質が分泌され、活発になり脈拍や呼吸数の増加、体温の上昇などの反応が起きてきます。
これに対し、リラックスした状態の時には副交感神経が活発になり、脈拍や呼吸数の低下、身体の弛緩などの反応が起きてきます。
この相反する2つの神経活動のバランスが保たれているために、身体は問題なく休息と活動のそれぞれに適した状態に移行できると言われています。
しかし、不安や怒りなど、神経活動の調和が崩れてしまうとことがあります。
休息し眠りたいのに交感神経が活発になり、異常な興奮や発汗で眠れない入眠障害や、正反対に副交感神経が活発化し、活動が必要な状況で極端に無気力や無反応になるなどの症状が現れてきます。
一般的には微熱や異常な汗、慢性的な腰痛や肩こり、めまい、不眠症、倦怠感などの様々な症状が現れますが、内臓や器官の病変によるものではないので、病院などで検査をしても「異常なし」となることが多いです。
⚫︎主な原因
1.生活リズムの乱れ
夜更かし、夜型人間、夜間勤務、不規則な生活習慣など
2.過度なストレス
仕事などの社会的ストレス、人間関係、精神的ストレスなど
3.ストレスに弱い体質
下痢しやすい、自家中毒、環境が変わると眠れないなど
思春期や更年期、身体が弱っている時は自律神経バランスが乱れやすい
4.ストレスに弱い性格
ノーと言えない、感情処理が苦手、気持ちの切り替えができない、信頼関係を結ぶのが苦手、ストレスの抵抗力が弱い傾向の人など
5.環境の変化
社会環境の変化、人間関係や仕事などの環境変化など
6.女性ホルモンの影響
一生を通じてホルモンのリズムが変化し続け、この変化が自律神経の働きに影響を与える
⚫︎自律神経失調症の4つのタイプ
・本態性型自律神経失調症
要因:生まれつき自律神経の働きが乱れやすい
特徴:低血圧、虚弱体質
・神経症型自律神経失調症
要因:心理的なことから
特徴:身体の不調に敏感
・心身型自律神経失調症
要因:感情や疲労などの日常生活のストレスを無理に抑える
特徴:約半数がこのタイプ、症状やその重さが様々
・抑うつ型自律神経失調症
要因:ストレスの慢性的な蓄積などによるうつ反応
特徴:抑うつ気分が身体の症状に隠れて発見されないと「うつ」に対する適切な治療が行われない
⚫︎治療法
自律神経バランスを整える治療としては、レディース鍼灸が有効です。
男性の方にもおすすめしています。
⚫︎セルフケア
自律神経の働きは、内臓・呼吸・消化・ホルモン分泌・体温維持・排泄・生殖など様々あります。その中で意識的に変えられるものは「呼吸」です。 普段私たちの呼吸は浅くなりがちです。仕事中や何かに集中していると浅くなったり、無呼吸になっている人がいます。これは交感神経が優位になっているからです。 深い呼吸を心がければ副交感神経を優位にしてリラックス状態までもっていけます。 そうすることによって自律神経の乱れを整えていくことができます。 ・深い呼吸の仕方
1目を閉じます。
2鼻で息を吸います。 吸った時にお腹を膨らませる様に意識します。4~5秒ほど吸います。
3口から息を吐きます。
膨らませたお腹を萎ませる様に意識します。吸った量の倍吐けると良いです。
後はこの繰り返しです。
⚫︎おすすめのツボ
・百会 (ひゃくえ)・・・頭の頂点。正中線と両耳の先端が交わるところ。 精神的ストレス、頭痛、緊張緩和

・合谷 (ごうこく)・・・手の甲側、親指と人さし指の骨の分かれ目の 精神的ストレス、鎮痛、顔のむくみ

・太衝 (たいしょう)・・・足の親指と人差し指の間をたどった行き止まりのくぼみ イライラ、お腹の張り、足の冷え

・内関 (ないかん)・・・内側の手首のシワから指2本分に上に上がる。 精神的ストレス、食欲不振、酔い
