肝機能障害
●肝機能障害とは?
肝機能障害とは、その名の通り肝臓の機能が正常に働かなくなっている状態をいいます。具体的な例では脂肪肝や肝炎、肝硬変や肝がんなどの疾病を患うことによって引き起こされてしまう症状です。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほどに症状が表れにくい器官です。肝臓そのものの痛みによって「肝機能障害である」と自覚されるケースはほとんどないといわれています。知らぬ間に食生活や生活習慣によって肝臓に負担をかけてしまい、肝機能障害が引き起こされている可能性もあります。
●原因
肝機能障害には、いくつかの原因があります。
・アルコール性肝炎
過度な飲酒によって肝機能が不全になってしまうのものです。
・薬剤性肝障害
薬剤の副作用によって肝臓の機能に異常がきたされてしまうケースもあります。
・脂肪肝
暴飲暴食が原因となって引き起こされる場合が多いといわれています。
●症状
・発熱や倦怠感
初期症状として「発熱や倦怠感を覚える」ことが多いです。肝臓の持つ体温調節機能がうまく働いていないためであると考えられています。また、肝臓は「体内に入った毒物(アンモニアなど)を分解する」機能がありますが、肝機能障害ではこの機能がうまく働かず、毒物を保持した状態の身体が眠気やだるさを覚えるのです。
・食欲不振、体重減少
肝臓の機能不全によって食物をエネルギーとして消化する機能が低下してしまいます。また、食欲の減少に伴って体重が減少するといったケースも考えられています。
・尿の色が濃い
肝機能の不全によって尿のろ過が十分に行えず、色が濃いまま体外に排出されてしまいます。
・むくみ
手足を中心に身体がむくみやすくなります。代謝の機能が低下してしまっていることが原因です。体内の不要物は代謝機能によって排出されますが、肝機能障害では正常に機能しないために老廃物が適切に排出されにくくなります。このため不要物が体内にとどまり、むくみが生じます。
・腹水、腰痛
腹水が見られることがあります。腹水とは、腹の空洞の中に液体が溜まっている状態を指し、一般的には肝硬変や心不全などを患っている時に現れる症状です。腹水が見られるようになった場合は肝機能障害の中でも重症に陥っている可能性が高いとされています。
・かゆみ、湿疹
薬剤性肝炎など副作用の形で現れることが多いです。アレルギー反応の一種であると考えられています。
・黄疸
特徴的な症状に「黄疸」と呼ばれるものがあります。黄疸とは、赤血球に存在する「ビリルビン」という成分が血液中に漏れだすことによって、皮膚が過剰に黄色く見えてしまう症状のことをいいます。この症状が現れる頃は肝機能障害が重くなっている可能性があると判断されやすく、看護が必要な状態であるとも言われています。
●対策
・食事
ビタミンB、セサミン、オメガ3脂肪酸などの成分を積極的に摂取することが必要だといわれています。
・禁酒、禁煙
過度な飲酒は肝機能障害の原因の一端を担う可能性が十分に高いといわれています。日本酒を一日1Lほど摂取する生活を15年ほど続けた人の2人に1人は「肝硬変」が引き起こされてた報告もあります。また、喫煙も肝機能障害をうながす直接的な原因に繋がりやすいという報告があります。喫煙を控えることも肝機能障害の改善や治療のために役立つことであると考えられています。
・減量
食生活の乱れによって肝臓にストレスが加わり、正常な機能が働きにくい状態を形成されてしまいます。脂食生活の改善を継続的に行い、体重を減量することも肝機能障害を改善するために有効な方法です。
●治療法
肝機能障害には、鍼灸治療が有効です。
一人ひとりの症状に合わせ、ツボを使い治療を続けることで、症状の改善が見込めます。
