Fatility method - 不妊鍼灸 -
名里裟羅 (なざと さら)
マタニティケア鍼灸師
レディース予防医学指導士
エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)
このふたつの女性ホルモンが分泌されるのが卵巣です。
脳の視床下部が「ホルモンを出して!」と下垂体に命令を出します。
下垂体は卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)という
性腺刺激ホルモンを分泌します。FSHとLHが卵巣にはたらきかけて
エストロゲンとプロゲステロンを分泌させているのです。
- 女性ホルモンのこと -
女性の体は、エストロゲンとプロゲステロンのはたらきによってコントロールされています。
ふたつのホルモンは、一定の周期でそれぞれの分泌量のバランスを変えながら、身体と心に作用しています。
エストロゲン
女性らしさ、若々しさをつくるホルモン。子宮に作用し、妊娠に備えて子宮内膜を厚くします。
生理の終わり頃から排卵前にかけて分泌量が多くなり、身体も心も比較的安定し、体調が良い状態が続きます。
プロゲステロン
妊娠を助けるホルモンで、受精卵が子宮内膜に着床しやすい状態に備え、妊娠後は妊娠を継続させるはたらきをします。
排卵後から次の生理前かけて分泌され、体調不良やむくみ、情緒不安定などのPMS症状が現れることもあります。
- 気になる症状はありませんか? -
月経不順(生理不順)
正常な月経は25〜30日周期、出血が3〜7日続くもの。
月経が稀にしかない稀発月経、まったくない無月経の場合は、排卵が正常に起きていないことが考えられます。
また、月経は正常な周期であるのに、実際には排卵していない無排卵月経というケースもあります。
月経が遅れがち方は、一度検査を受けてみましょう。
月経痛(生理痛)が強い
月経中は、プロスタグランジンというホルモンが分泌されます。
子宮を収縮させ経血を体外に排出するするはたらきがあり、この量が多すぎると痛みを感じます。
毎回薬を飲んでいる、仕事を休んだり遅刻することのあるほど痛みが強い場合、子宮内膜症の可能性があります。
開腹手術・婦人科手術の経験がある
腹膜炎や虫垂炎などの手術、卵巣・卵管・子宮など生殖器官の手術を受けたことがある場合、術後、患部に癒着を起こして妊娠の障害になっていることがあります。
内科的疾患がある
甲状腺の病気や糖尿病、自己免疫疾患などの疾患は、受精を妨げ不妊の原因になることがあります。
性感染症になったことがある
性感染症(STD)を放置すると、子宮頸管炎や子宮内膜炎、卵管炎などを引き起こし、不妊の原因になります。
おりものが異常に多かったり下腹部痛がある場合は婦人科を受診しましょう。
生理痛や生理不順は、気になるけれどそのままにしている女性が多いです。
病院に行くほどでもないし・・・と思っていても、そこには子宮内膜症などの病気が隠れているかもしれません。
妊娠するには、排卵・受精・着床をはじめとする多くの過程を経なければいけません。
その過程のうちどれが欠けても、妊娠することは難しいのです。
少しでも不安のある方は、一度婦人科を受診してみることをおすすめします。
鍼灸は妊娠しやすい体を作るための施術ですが、不妊治療においてまず優先すべきは、西洋医学で絶対的な問題がないかを調べることです。卵管の癒着や子宮内のポリープが着床を妨げている場合などは、西洋医学での治療が優先です。
不妊の原因をしっかりと検査した上で、鍼灸との併用をしていきましょう。